想い出の宝箱




「は?なにが?」



「私がけがした理由」

「階段から落ちたんだろ?」


「そうだけど・・・」


私はどうして落ちたのか

翔太が今どんな状態なのか
広瀬に教えた



「ごめん、俺何も知らなくて・・」

「いいの、お見舞い来てくれただけでも

嬉しいから」



私が笑ったのと同時に

広瀬は私を抱きしめた




「彩、困ったことあったら言えよ

俺を頼れよ。一人で抱え込むな」



「うん、ありがとう」


うれしかった


このまま抱きしめてもらえたら
悲しみもどこかへ消えていくような気がした




だけど私は広瀬の胸を押して離れた


「でも、ごめん。翔太に悪いから」



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