想い出の宝箱



「ごめんね、彩乃ちゃん」



私はまどかさんが今までやったことを
すべて話してくれた


「彩乃ちゃんに手ださないって約束したのに

ケガさせちゃって・・・



あたし別れたことを友達に言っただけで

彩乃ちゃんに手出すなって言ってなくて



友達があたしのためにと思ってやっちゃったの」




「・・・」

「あたしのためでもやっちゃいけないことだよね


ほんとうにごめん


ちゃんと言ってなかったあたしが悪いの」



友達をかばうまどかさんを見て


私は不思議と怒りが消えていた


「そんなに謝らないで」


「え・・?」


「まどかさん、謝りに来てくれてありがとう


だからといって許すわけじゃない


あなたたちは翔太を傷つけた

翔太の今まで生きてきた記憶を消したの


家族の記憶、友達の記憶

そして、私と翔太の記憶


あなたたちが犯した罪の重さを忘れないで

許せないことだけど

今日はちゃんと話してくれて感謝してる」



「彩乃ちゃん・・」




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