想い出の宝箱
一歩
久しぶりに来た学校
勉強は美咲が教えてくれていたから
大丈夫なんだけど
学校に行くには勇気が必要だった
「おはよー彩!!」
美咲と夏美が後ろから走ってきた
「久しぶりの学校緊張する?」
「うん・・・めっちゃ・・・」
「大丈夫やよ、うちらが守ってあげる」
こういう時は夏美は本当に頼りになる
学校に入るとあちこちから内緒話に似た声が
聞こえた
「日向さんだ・・・何日ぶり?」
「なんか、やつれてない?」
「やっぱあれだよね、彼氏が記憶ないって」
「記憶ないとか終わってんじゃん」
私の体を心配する声から翔太の記憶に
関することなんでも話してた
「彩、大丈夫・・・?」
心配そうにする2人に悪いと思って
大丈夫、と無理やりな笑顔を作った