想い出の宝箱



「え・・なんで?」


「なんでって俺は彩って呼ぶのに
彩は俺のこと苗字って変だろ


それに、翔太は下の名前じゃん」



「翔太は幼馴染だか・・・」



「いいから呼べって
今日のお礼はそれでいいから」



「しょうがないなぁ・・」


「しょうがないって言うなよ
仮にも今日は俺に逆らえる立場じゃないんだからな」



「ごめんなさい・・」




私たちは笑いながら
帰り道を歩いた



酔ってるからヨロヨロと歩く私を
支えながら竜也は歩いてくれた





「なんで翔太じゃないんだろ」




うっかりそんなことを言ってしまった
けど竜也は聞こえなかったのか
まっすぐ前を見て歩いていた




これが翔太だったらどんなに嬉しいんだろ・・





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