想い出の宝箱
「誰?」
「今の翔太には言えない
言いたくない」
「は?意味わかんねぇし」
私の一言で翔太はまたキレて
近くにあったフェンスを殴った
翔太じゃないみたい・・・
「言えないとか言ってるけど
そいつとうまくいかなくなったら
どうせ俺を頼るんだろ?
昔から彩は引っ込み思案で
なんかあると結局は俺に
頼ってたもんな
今回も・・・」
私は気づいたら翔太を叩いていた
「いって・・」
翔太も殴られると思ってなかったみたいで
派手にフェンスにぶつかった
立ち上がって私に近づいてきたから
私は翔太を突き飛ばして
「前の翔太はどこいったの!?
いいかげん戻ってよ!!
最低!!」
思ってもないことを言ってしまった
いや、早く戻ってきてほしいとは
思ってたけど
これだけは言ってはいけない言葉だった
怖くて見れなかった翔太の顔を見たら
私は咄嗟に走りだしていた