想い出の宝箱




廊下を歩いていると

美咲ちゃんに会った




「あ、翔太くん・・・
なんか久しぶりだね」


「・・・あぁそだね」


「そ、そういえば今日彩が休みなんだけど
なんか知らない?」


「は?そうなの?

あいつ大丈夫なの?」



「アハハハ翔太くん
心配しすぎー


でも、メールも何も返ってこないの

今日お見舞い行ってくれない?」


「は?なんで俺が・・・」


「あ、私今日用事があるの

だから代わりに・・」


「そういうことか・・・
わかった見に行ってくる」

「うん、お願いね」



美咲ちゃんは彩の
お母さんみたいだ


心配そうにする美咲ちゃんに
断れるはずもなく
俺は放課後行くことにした



美咲ちゃんの横を通り過ぎようとすると
いきなり手をつかまれて



「翔太くんの記憶がなくても

翔太くんの想い出はみんなの頭の中にちゃんと
残ってるよ」


と微笑みながら言う美咲ちゃんが

妙に大人に感じた




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