想い出の宝箱



「彩?久しぶり」



「なんで侑吾ここにいるの?」


「あぁ、俺はただのサボり」



すごく久しぶりだった


「あのね、私もう翔太を忘れるの


信じるって決めたけど
やっぱり私には過去が必要だったんだよ」



「そっか」



てっきり何か言われるかと思ったのに
侑吾はさっぱりしていた



「なにも言わないの?」


笑いながら聞くとつられて侑吾も笑った

「彩が決めたなら
俺は何も言わないよ



だって、彩がんばってたし」




「初めて言われたかも」


「え?」


いつも周りの人は私に頑張れとしか
言ってくれなくて

私はただひたすら頑張るしかなかったから





「ううん、なんでもないよ」


やっぱり侑吾の笑う顔は
大好きだ




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