想い出の宝箱





「彩、本当にごめん



なかなか思い出せなくて
彩にばっかりつらい思いさせて・・」



私は声にならなくて


頭を何度も横にふった



「それに、俺守るって言ったくせに

結局彩にもけがさせたし」



「それは、ちがう!!


私が・・かっ・・てに」



涙が邪魔してちゃんとしゃべれない


だけど、翔太は

何も言わないで私を抱きしめた




「ごめん。俺が悪いんだよ


彩を何からも守れなかった
それに、ひどいこともした


つらかったよな?」



どんどん前の翔太になっていく


優しくて私のことを一番に考えてくれる





私はしばらく翔太の腕の中で
泣いた



胃の痛みなんかどっかふっとんじゃって



ただただ、翔太を想って泣いた




今まで我慢していた分


たくさん・・・




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