想い出の宝箱



お別れの日


私と翔太は泣きながら
侑吾にお別れを言った



私は泣きすぎて言葉に
なったかわからないけど

侑吾は「ありがとう」
と言ってくれた



車に乗っていこうとする侑吾が

もう一度私の方へ近づいてきて


「彩、大人になったら
俺彩を迎えに行くから

それまで待ってて」


一言言い残し去って
行ってしまった




さすがにお別れの日まで
翔太がうるさく
言うことはなかった
けど、なにか言いたそうな
顔をしていたが

「彩・・・帰ろっか・・・」



それだけ言って
歩き出してしまった




それが、侑吾と私そして翔太と
過ごした思い出だった





< 65 / 374 >

この作品をシェア

pagetop