想い出の宝箱
一気に侑吾の
ことを思い出した私は
飛び跳ねて
「侑吾!?侑吾なの!?」
と何度も聞いた
侑吾はあきれたように
「だーかーらー、俺だって
久しぶりだね彩」
笑顔はあのころの
面影を残したままだった
「あれ?でもなんで
苗字が中川じゃないの?」
「あー、俺の両親離婚したんだよ
で、俺はおふくろについて行って
そのおふくろが
違う人と再婚したわけ」
妙に明るく言う
侑吾が心配になったが
「そんな暗い顔すんなよ、
もう全然平気だし、
今の親父とも
上手くいってるから」
私の頭をポンポンと叩いて言った
「そっか、ならよかった」