想い出の宝箱







俺は彩を見たときうれしくって


大声で彩に手を振ってしまった


隣にまどかがいるのを忘れて





そのあとは侑吾と
久しぶりに口げんかして

懐かしい雰囲気で
俺も久しぶりに心から笑えた




だけど、
その雰囲気を
破ったのはまどかだった




「ねぇ、紹介して?」


わざとらしく彩の前で
俺に甘えてきた


イライラしながら
素っ気なく答えると


侑吾が自己紹介を始めた



侑吾にはにっこりと
わらったまどかだったが


彩の自己紹介の途中で
俺に話しかけてきた



「翔太ー、今日遊ぼう?」


その目は笑っていなかった



俺はまどかがこういう奴だって
ことを忘れていた


だから、まどかに
嫌われて悲しそうな顔をしている

彩も無視するしかなかったんだ




そんな俺の態度を見て彩は
大きな目から流れようとする涙を



必死にこらえていた






あぁ、俺って情けない







< 82 / 374 >

この作品をシェア

pagetop