想い出の宝箱
頭が混乱して
涙も自然と止まっていた
「・・・広瀬?」
私がつぶやくと
広瀬は我に返ったように
私を腕から解放した
「あ、今抱きしめたのは
彩の涙が止まるようにだから」
おどけて笑っているけど
いつもの広瀬の笑顔とは違った
「帰ろっか」
広瀬は私がなんで泣いていたのか
聞かないでくれた
2人並んで歩いている途中
私が
「なんで?
私がここで泣いてるってわかったの?」
そう聞くと
今度はいつもの笑顔で
「え?だって俺彩のヒーローだし」
広瀬の笑顔につられて私も笑ってしまった
広瀬のおかげで心が楽になれた気がした