君色デイズ
そんな話をしているうち、ヨシ姉に連れて来られたのは、恐らく1階の端っこに位置するのであろう部屋。
他の部屋よりは明らかに小さいけれど、綺麗に整頓されている室内を指し、ヨシ姉はあたしの方へと振り返る。
「ここが、私達使用人の控え室というか、たまり場的な、ね。こっち側にあるロッカー、ユリ用に空けといたから使って。」
「あぁ、うん。」
促されるまま、あたしの名前が貼られたロッカーを開ける。すると中に掛けられていたのは、あたしには到底似合わないであろう服。
黒い膝たけのワンピースに、白いフリル付きの前掛け……。
何だか嫌な予感がしてヨシ姉を見れば、意地悪そうにニカッと笑った。
「それが、私達用の制服。だから早く、それに着替えてね。」
普段、学校の制服以外でスカートなんて滅多に穿かないのに。
そう、内心小さくため息を吐き、改めて真新しい制服を手に取る。そして、すでに着替え始めていたヨシ姉に遅れないよう、猛スピードで慣れない制服へと着替えを終えた。