君色デイズ

「他の人達って、ずっと屋敷にいたの?」

「え? あぁ、居たわよ。でも、外仕事したり部屋にこもりきりで仕事したりだから、今日みたいに顔を合わさない日もあるのよ。」


あたしの質問の意味を悟ったのか、ヨシ姉はそう淡々と言葉を紡ぐ。でも、同じ家に居るのに全く顔を合わさないなんて、少しだけあたし自身が居た狭い家が恋しくなった。

そして先程着替えた部屋にヨシ姉と2人で戻れば、ヨシ姉の言う通り、あたし達と同じ制服に身を包んだ女の人と、畏まった服装の男の人が居て。


「ユリちゃん、紹介するわ。
こちらが宮沢佐知代(みやざわ さちよ)さん、私達の仕事全般を取り仕切ってくれている人よ。」

「ヨシちゃんから話は聞いているわ。よろしくね、友梨江ちゃん。」


まずヨシ姉から紹介されたのは、宮沢さんという女の人。歳は多分、40代くらい、かな。

軽く会釈されたのにつられるように、あたしも慌てて頭を下げた。
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