君色デイズ
「ずいぶん若いメイドやなぁ。」


関西弁のその声にゆっくりと顔を上げれば、やっぱり視線はあたしに向けられていて。


「お、新顔だね。はじめまして。」

「は、はじめまして。先日からお仕えさせていただいています、前田友梨江と申します……!」


慌てて紡ぎだした言葉は、変にトーンが上がる。キョドったのが明らかなこの態度に、3人は小さく笑った。


「オレ、田岡淳平(たおか じゅんぺい)言うん。よろしゅう。」

「俺は佐々木颯太(ささき そうた)。……にしても、景雅の使用人だなんて頑張るねぇ。」

「俺は吉川慎(よしかわ まこと)。よろしくね。」


関西弁でとても人懐っこい笑顔を浮かべるのが田岡様、長身で眼鏡をかけていらっしゃるのが佐々木様、ふんわりとした栗色の髪で幼い感じなのが吉川様……と。今後のためにも覚えなければ。
< 26 / 97 >

この作品をシェア

pagetop