君色デイズ
「先日より働かせていただいております、柿崎のいとこの前田友梨江と申します。」


…ほら、やっぱりあたしのことなんか彼の眼中にはなかった。
今の時代にもこんな身分の差があるのね。怖い怖い。


「柿崎のいとこ、か…」

「はい?」

「いや、なんでもない。」


昨夜とはうって変わった、いつもと同じ毅然とした態度。
昨日の片鱗さえも見せないその背中に、本当は何か、隠されているのではないかとなんとなく思った。





【02*END】
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