君色デイズ

『……もしもし?』

「もしもし、ヨシ姉? 友梨江(ゆりえ)だけど……、お久しぶりです。」

『あぁ! 久しぶりね、ユリ。どうしたの?何か、あった?』


相変わらずの明るい口調で問いかけてくるヨシ姉に、思わず弱音が零れていく。

気づけばあたしは、母が倒れてあたしが高校を中退せざるを得なかったこと、金欠で仕事を探していること、さらには家賃滞納で家からも追い出されそうであることまで、彼女に話していた。

話しながら余りにも漫画のような現状に、自分のことながら泣きそうになったってのは、あたしだけの秘密だけれど。


『そっか……。叔母さんが…。ユリちゃん、大変だったのね。』


電話口から聞こえるヨシ姉の声は、あたしの話によって一瞬にして沈んだ。だけど刹那、何かを思い出したらしく、すぐにいつものトーンで話し出す。
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