君色デイズ
「前田、付き合え。」


久しぶりの休日、景雅様に命令…いや、頼まれて、買い物にやってきた。

友達とさえショッピングなんか来たことないってのに、勤め先のお坊ちゃまと買い物だなんて……
全ての買い物が高いよ。信じらんない。
金銭感覚の違いを思い知らされるんですが……


「お持ちします。」


会計を終えた商品の袋を持つ景雅様へと手を伸ばす。けどそんなあたしを見て、景雅様は小さく笑った。


「いや、いいぜ。こんなの女に持たせたまま歩くなんて、かっこわりぃ。」


いや、確かにそうかもしんないけど…
袋を持ったままあたしに背を向けて歩き出す景雅様を追う。

だけどあたしだって、今日使用人として付き合ってる以上、ただ後ろについて回ってるだけじゃいけないと思うわけですよ。
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