君色デイズ
「…申し訳ありません、こんな格好で。」

「いや、急に来たのは俺だし、気にすることねーよ。」


んー、そうは言われてもなあ。
苦笑をこぼすあたしと景雅様の間、夜の涼しい風が通り抜ける。

そういや、彼の用事とは何なのか問いかけようと口を開きかけた刹那、景雅様は持っていた紙袋をあたしの目の前へと差し出した…というか押し付けた。


「え?あのー…」

「俺からのプレゼントだ。」

「……え?」


プレゼントって…何で?

よくよく見れば、その紙袋は今日最後に行った女物のお店の袋で。袋の隙間から見えるのは、景雅様があたしに合わせて選んでいたあのワンピースだった。

あぁ、コレ、紗彩様への贈り物ではなかったのね。…じゃなくて!
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