君色デイズ
「そのかわり、お前に頼みがあるんだ。」

「頼み、ですか?」


景雅様があたしに頼み?勤務歴が長いシゲさんや佐知代さんやヨシ姉ではなくあたしに?
わざわざ宿舎まで来て?

いろいろ腑に落ちなくて首をかしげたあたしに、景雅様は言い放つ。


「これから毎週日曜、俺のために時間をあけておけ。」

「……は?」


ちょっと待って。
言い放たれた言葉を咀嚼するのにたっぷり5秒はかかった。
要するに、何なの。あたしの日曜日をどうしたいの?


「あの、景雅様?」

「拒否権はねえ。」


楽しそうに、不敵に笑う景雅様に、もはや何も言い返せなかった。
でも、本当に。景雅様はそんなことしてどういうつもりなの?

…というかとりあえず、あたしにも拒否権くらいください。
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