君色デイズ

それに。


「ですが景雅様、あたしにもお屋敷でのお仕事が…」


今回はたまたま日曜日がお休みだっただけ。日曜だって、普通に仕事はある。
けれどあたしの言葉なんて特に気にしないように、景雅様は答える。


「そんなことわかってる。けどそんなこと、いくらでも融通きくだろーが。前田は“使用人”として俺に付き合えばいい。」

「ですが…」

「……そんなに俺に付き合うのがいやか？」


なかなかイエスと言わないあたしに対し、急に景雅様の表情が変わった。
あたしの様子を窺いながらも、寂しさの色が見え隠れする瞳に、ちくりと胸が痛む。

…だって、いやだなんてそんな。
仕事にしろ仕事じゃないにしろ、景雅様に付き合うこと自体は全然いやなんかじゃない。