君色デイズ
それを言い返そうと口を開きかけた刹那、佐知代さんが勢いよくドアを開け声を響かせたことにより、言おうとしていたことも考えていたことも、表出することなく霧散した。
「ふたりとも、急いで準備して!紗彩様がいらしたわよ!」
紗彩様がいらした?
今日、そんな予定あったっけ?っていうか、景雅様はいつもの3人のお友達と外出中のはずだから、屋敷にはいない。聞いてなかったのかな?
そんなことを考えながら、佐知代さんに言われたようにヨシ姉とダッシュで準備して玄関に向かう。エントランスホールでは、ちょうどシゲさんが紗彩様の対応をしているところだった。
「申し訳ありません、紗彩お嬢様。本日、景雅坊ちゃまは外出しております。」
「ええ。知ってるわ。」
目の前のシゲさんを通り越し、紗彩様の大きいけれどきつめな瞳が誰かを探すようにぐるっと周囲を見まわす。そしてぱちりとあたしと目があった刹那、まるで目的の人物を見つけたかのように口を開く。
「ふたりとも、急いで準備して!紗彩様がいらしたわよ!」
紗彩様がいらした?
今日、そんな予定あったっけ?っていうか、景雅様はいつもの3人のお友達と外出中のはずだから、屋敷にはいない。聞いてなかったのかな?
そんなことを考えながら、佐知代さんに言われたようにヨシ姉とダッシュで準備して玄関に向かう。エントランスホールでは、ちょうどシゲさんが紗彩様の対応をしているところだった。
「申し訳ありません、紗彩お嬢様。本日、景雅坊ちゃまは外出しております。」
「ええ。知ってるわ。」
目の前のシゲさんを通り越し、紗彩様の大きいけれどきつめな瞳が誰かを探すようにぐるっと周囲を見まわす。そしてぱちりとあたしと目があった刹那、まるで目的の人物を見つけたかのように口を開く。