君色デイズ
試着室に渋々と入って言われるがままに着替えてみる。
こんなドレス、着る機会があるなんて思ってなかったよ。試着室にある鏡に映る自分を見て、まるで夢を見てるような錯覚に陥った。
だって、ほら、こんなあたしだけど、ドレスなんか着ちゃったらお姫様みたいなんだもん…。これだったら、堂々と景雅様の横を歩けるかな、なんて考えて思い切り首を振る。
何を考えてるんだあたしは。これ以上何を望んでいるんだ。
勝ち誇ったような紗彩様の笑顔を思い出し、無性に悲しくなる。あのお嬢様は本当に、余計な思いに気づかせてくれたよ。
それにしても、景雅様、あたしにこんな恰好させてどうするつもりなんだろう。使用人のあたしがこんな恰好できるわけないのに…。紗彩様とかなら、ドレスとかもっとちゃんと着こなすんだろうなとか思って、またちょっと悲しくなった。
別に、今の自分の立場を憂いてるわけではないけれど。紗彩様が頭から離れなくて、比較してしまう自分が嫌だった。
「おい、前田。着れたか?」
そんな葛藤は、試着室の外から聞こえる景雅様の声で中断される。
そういえば、待たせてるんだったっけ。
こんなドレス、着る機会があるなんて思ってなかったよ。試着室にある鏡に映る自分を見て、まるで夢を見てるような錯覚に陥った。
だって、ほら、こんなあたしだけど、ドレスなんか着ちゃったらお姫様みたいなんだもん…。これだったら、堂々と景雅様の横を歩けるかな、なんて考えて思い切り首を振る。
何を考えてるんだあたしは。これ以上何を望んでいるんだ。
勝ち誇ったような紗彩様の笑顔を思い出し、無性に悲しくなる。あのお嬢様は本当に、余計な思いに気づかせてくれたよ。
それにしても、景雅様、あたしにこんな恰好させてどうするつもりなんだろう。使用人のあたしがこんな恰好できるわけないのに…。紗彩様とかなら、ドレスとかもっとちゃんと着こなすんだろうなとか思って、またちょっと悲しくなった。
別に、今の自分の立場を憂いてるわけではないけれど。紗彩様が頭から離れなくて、比較してしまう自分が嫌だった。
「おい、前田。着れたか?」
そんな葛藤は、試着室の外から聞こえる景雅様の声で中断される。
そういえば、待たせてるんだったっけ。