君色デイズ
「っ!はい!着れました。」

「じゃあ開けるぞ。」


…開ける?え、ちょっと待って!
よくよく考えたらこの恰好景雅様に見られるってことだよね?


「ちょっと待って下さ…、」


急に恥ずかしくなったけど時すでに遅し。
開け放たれたドアの向こう、景雅様が楽しそうに笑った。


「なかなか似合うじゃねぇか。……よし、それに決まりだ。」


楽しそうなのは結構なのですが、決まりって何?


「は?」


意味を咀嚼できず呆けたような声を出すあたしに近づき、景雅様は微笑む。
いつもとは少し違う、優しい笑顔が目の前にある。

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