君色デイズ
「何を…、」

「そのためにお前を俺が直々にパーティーに招待したんだ。」

「え…?」

「公の場で公表すれば、紗彩もお前にいちゃもんつけれなくなるだろ。」


困惑する中、はっきりとわかったのは。


「まさか景雅様…、」

「あぁ、悪いな。この前のお前と紗彩の話、半分ほど聞いちまったんだ。」


やっぱり、聞いていたのかあの会話を。
お坊ちゃまのくせに、立ち聞きなんて趣味が悪い。

ゆっくりとカーテンを開ければ、壁に背を預け、立っている彼。
哀愁漂う瞳は、ただあたしだけを捉えている。

景雅様の言葉は嬉しかった。どくん、どくんと心臓がうるさい。
でも。あたしは。この家にお仕えする、使用人でしかない。彼はお仕えする桐生家の大切なご子息。
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