雨の日
雨
ザァアアアア───…
外はバケツをひっくり返したような雨が降る。
あぁ…あの人と別れたあの日もこんな雨だった気がする。
『なんて、嫌な、日。』
ポツリと呟いてみたけど、そんな声も激しい雨音に掻き消される。
『こんな日は家に居よう…。』
あぁ、気分が萎える。
頭が痛い。
あれから二年近くも立つのに、こういう雨の日はいつも気分が悪くなる。
あぁ、本当に頭が痛い。
…なんだか吐き気までしてきた。
うぅ…、いままでこんな日は何回もあったけど、こんなに辛かった日は無かった。
『気持ち、悪…ッ…。』
あっ…、これは、本当、に、駄、目…ッ…。
バタバタ
私は急いでトイレに駆け込む。
『うっ…おぇ…っ』
…なんで今日はこんなに酷いんだろう。
ふと、トイレに掛かっているカレンダーを見た。
『あっ…』
そうか…、今日はあの人に告白された日…。
私も元々あの人の事が好きで、すごく喜んで、嬉しくて、嬉しくて、本当に嬉しくて、泣いて、泣いて、ひたすら泣いて。
毎年この日が来るとあの日の事を思い出して、二人だけで一緒に過ごしてたっけ…。
『なんで、今年は忘れてたんだろう…。』
確か去年はその事を思い出してメソメソ泣いてたっけ。
あぁ、もう。
『なんて、嫌な、日。』
ザァアアア───…
外はバケツをひっくり返したような雨が降る。
END