私の彼は20才の高校生
胸が苦しい。



分かろうと努力しても、上手くいかない。



哀しいのに涙が溢れない。


分かっていないのに、私は両親に向かい、「分かったからもういい。」



父は、「すまなかった。」と頭を下げた。



私は微笑むしかなかった。


母は泣いていた。



二人の後ろ姿を見て心が痛む。



大好きな家族を失いたくはない。



だけど今すぐには、出来そうもない。



私はそんなに大人じゃないし。



数馬が、「大丈夫か?」



数馬の言葉に又涙が溢れる。



「大丈夫なんかじゃない。」


数馬の腕の中は暖かい。



数馬の服は私の涙と鼻水で汚れている。



「数馬ごめん。」



「あずみ今日ごめん何回言った?」



ええと何回言ったかな?



指折り数えていると、数馬がプツッと笑った。



やだ数馬にやられた。



つい笑ってしまった私を見て、「あずみやっぱ笑ってた方がいい。」




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