空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
翌あさ。



「行ってきまーす」


テレビの音がする居間にむかって言った。



「雨ですべりやすくなってるから、きいつけや」

おばあちゃんの元気な大きな声がかえってきた。



雨はすっかり、あがっていた。


雲は出てるけど、雨の降る気配はない。




「うーん、だれかいないかなぁ?」


わたしは一緒に行ってくれそうな、同い年の子を想像した。



いるはず、なんだけどなぁ。


わたしは、一度、家に戻った。



「おばあちゃーん!この辺に、純と同じくらいの子どもっていないのぉ?!」



玄関で、靴をはいたまま、わたしは大きな声で聞いた。



「右隣や。ええっとなぁ、こっから走って、10分くらいでつく。青い屋根の家や。すぐわかる」



また声だけがかえってきた。



「わかったあ!」
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