空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜


「山が、泣きたい気持ち……」



大ちゃんには聞こえないように、わたしは、つぶやいた。



「泣いてる」



ふっと、大ちゃんがわたしの顔をのぞきこんで言った。


突然、間近に大ちゃんの顔。


驚いて、涙が止まった。


「じっとしときぃや?」

「え……?」



なんでかって聞くひまもなかった。


ぷにっ。




わたしの唇に、やわらかい感触。


唇をとがらした大ちゃんが、わたしにキスした。




「え……。えぇええぇぇえ?!」
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