空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜


大ちゃんが、帰りをうながした。


「そっ!そうだね!」


こんな元気な返事は、いらなかったのに、わたしは大きな声で答えた。



「昼ご飯、食べにくるやろ?」


「うん、あ、おばあちゃんに言わないと」


「なら、こっちから、まわって、上からいこ」



わたしと大ちゃんは、どこか、かちかちになりながら歩いた。


山道も終わりの頃。



しゅ〜


っと、私たちの前


真っ白いヘビが、どこからかしゅっとあらわれて道を横断した。


また、山奥に消えて。


わたしと大ちゃんは、お互いに顔を見合わせる。


「見た?」

と、大ちゃん。

「見た…」

と、わたし。







「ぎゃあああ!!!!」



全速力で、山からおりた。
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