空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜


大ちゃんの家にあがらせてもらう。


おばあちゃんちとちがって、床は、フローリングだった。


畳の部屋は、お客さんようで、わたしはそこに通される。




「めずらしいな。女の子つれてくるなんて」


大ちゃんの頭を軽くたたくように、彼はあらわれた。



「兄ちゃんは、あっちいっとけよ」



大ちゃんが言った。


あ……


あああ!!


だ、大ちゃんのお兄ちゃんだったの?!



「き、昨日はありがとうございました」



座っていたわたしは、立ち上がってお礼を言った。


大ちゃんのお兄ちゃんだった。


昨日山で、会った人。



「あ、なんや。兄ちゃんのことやったん?」



大ちゃんもすぐに、気づいて言った。


わたしは、こくこくとうなずく。
< 31 / 100 >

この作品をシェア

pagetop