空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
「純ーっ!!またなあぁぁ!!」
大ちゃんの大きな一声が、小さくなっていく。
「またねえぇぇ!!」
聞こえなくなる前に、わたしも言った。
もう姿は見えない。
広がって、増えていくようにさえ感じる、大きな山……。
大ちゃんと交わした約束が、より山を大きく感じさせる。
本当に、山を見守るために、竜はいる気がした。
だから竜は、雲になって空を泳いでいる。
そう思えるわたしが、なんだかすごく
誇らしかった。
完