空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
電車とバスを乗り継いで、学校に到着。
「美人や。美人がきた。目の保養や〜」
下駄箱に向かってると、男子や女子たちが、拝みのポーズ。
わたしは、大ちゃんにさっきのお返しとばかり、ニヤニヤ笑いながら言う。
「みんな大ちゃんに、みとれてるよ〜?」
「…前のことや。アホ」
「え?! アホじゃないもん!」
聞き取りずらかったけど、最後の言葉は、はっきり聞こえた。
つい、ムキになって訂正をねだる。
大ちゃんは、スルー。
「ふんっ。
いいよ、いいよっ。
今日の竜部は、大ちゃん一人でやればいいんだ」
わたしは、そう言い捨てて、大ちゃんを置いて先に教室に行った。