空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
―竜部。
部活に入ってない
わたしと大ちゃんの
なんちゃって部活名だ。
もう感づいてるかもしれないけど
―山をきれいにしよう!
あの日に交わした約束を実行してるんだ。
「大ちゃ〜ん、置いてかないでよぉ」
わたしは、先々に行ってしまう大ちゃんに声をかけた。
山道に人より慣れてるとは言え、今だに大ちゃんには追いつけない。
「なんや?今日は俺一人のはずやのに、声が聞こえるわ。こわいわ〜」
大ちゃんは、キョロキョロと辺りを見ながら言った。
「むぅ、わざとらしい…だって、大ちゃんが」
スタスタスタスタ。
サクサクサク。
あんなに生い茂っていた緑の葉っぱは、
今は茶色の落ち葉になって、土の上を覆っている。
「あ、あ!待って待って」
結局は大ちゃん勝ち。
大ちゃんは、にっこり
天使の微笑み…
いや、勝ち誇った顔だった……
「ほら」