空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜


山の上

山の中

開けたこの場所に大量のゴミが…あったんだ…



さすがに、大きなまとまったゴミは、業者さんにお願いして取りに来てもらった。



だから、あと小さな空き缶とか人形とか、カップめんとか…


カップめん!

開けてなかったんだよ?


包装するビニールもついてたの。



でも、賞味期限は三年以上
過ぎてたけど



とにかく、いろんなゴミが捨ててある。



バサッ、と大ちゃんはビニール袋を広げた。



あとは地道に、大ちゃんとわたしでゴミを拾っていく。




「だいぶ、キレーなったなあ…」



大ちゃんのつぶやきが、しんとした山に広がっていく。



「うん、あと少しできれいになるね!」



わたしが言うと、大ちゃんは歯は見せずににっこり微笑む。



つられて、わたしもにっこり……



『なに見つめ合って、わろうてんねん。はよ、最後まで、せんかい』



大ちゃんとわたししかいないはずの山の中



周りを見ても、誰もいないのに、たしかに聞こえてきた。



へ?



だれ?
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