空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
わたしは、にっこりとしながら言った。
山の中は、自分が動物になったみたいに思えて、ワクワクする。
「山か? もう夕方や。はよ、帰りよ」
おばあちゃんは、少し曲がった腰をとんとんとたたいて言った。
やったぁ!
お母さんたちがいたら、ぜったい反対される。
けどおばあちゃんは、だめだとは言わない。
約束はあるけど、守ろうって思う。
土がむき出しになった道。
道と言えるかもわからない。
根っこのはえた、山の独特な道。
わたしは、わくわくしながらのぼった。