空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
階段のように、一つずつ足をかけて、わたしはさっと歩く。



運動神経に自信があるとかじゃないのに、山の道で苦労したことはない。



この先に。

山の上になにがあるんだろう?

どんな花がさいて、どんな動物がいて、どんな景色を見れるんだろう。



そう思っていると、あっと言うまなんだ。




「おぉ、町が見えた!夏休みだったら、葉っぱが多すぎてなにも見えなかったもんね!」



季節ごとに。

きっと、毎日。

景色を変える山。



わたしは、引き込まれるように、その景色に魅入った。



赤くなった夕日がきれいで、じんと胸があったかくなる。




「なんだろ……これ?」
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