空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
山の中に、静かにわたしの声が広がっていく。


どこまでも遠く。

わたしの声が、跳ね返る壁などみつからないように、波紋のよう。



誰もいない。


車の音も、人の気配もない。


ここは、別世界?


どうして、泣きそうになるのかな?


どうして、じんとするんだろう。




ぼーっとして、景色から目を離さないわたし。



ぽん。



肩を少し大きな手が、触れた。



「きゃあ!」



びっくりして、とびあがる。


だ、だれ?
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