夜獣-Stairway to the clown-
「そんな重要なことを、僕に話してもいいのかい?」
普通に考えれば、そんな迂闊なことは安易にはしないはずだろうが。
雪坂がそんなドジなヘマをやらかすとも思えない。
「神崎さんは私を倒そうとしたり、ましてや、殺そうとしたりするんですか?」
「物騒な話だ。あるわけないよ」
「ですよね」
どこから来た自信かは知らないが、満面の笑みを浮かべている。
「ちょっと待て、宇宙人の血を引いてる奴が技を使えるってことは僕もか?」
「そうですね。宇宙人の純血の子供ならば生まれた頃より使えますが、今だと血が薄くなってますから確証はありません」
「本当に僕がお前の子孫だということが解るのか?」
「解りますよ」
「確証は?」
「同族を感じて血が騒ぎます。あなたも私の血に引かれて来たのではないのですか?」
紅い目は鋭い刃物を僕の心の中に刺すようで、背筋にゾクっという感覚が走る。
未だに雪坂の肩に置いている腕を見れば鳥肌が立っている。
事実は見たけど、理解することも納得することも出来ようがない。
何故なら、血が騒ぐなんていう感覚がどんなものなのかなんて知らない。
先ほどから凍りついたようにそこから動けなくなっている。
暗示でもかけられたような感じだった。
「自分の子孫に手を上げるような真似はしません。ただし」
「ただし?」
「私に危害を加えるようであれば、話は180度変わります」
にこっとしてるが、そこには作った笑みしかない。
やっと動けるようになったのか、雪坂の肩から手を下ろす。
春になって暖かくなっている風が頬を掠めていく。
「強い風が出てきましたね。今日はここでお開きとしましょう」
「風にあたりに来てたんじゃないのかよ」
「あなたと話してる間に、十分感じられました」
普通に考えれば、そんな迂闊なことは安易にはしないはずだろうが。
雪坂がそんなドジなヘマをやらかすとも思えない。
「神崎さんは私を倒そうとしたり、ましてや、殺そうとしたりするんですか?」
「物騒な話だ。あるわけないよ」
「ですよね」
どこから来た自信かは知らないが、満面の笑みを浮かべている。
「ちょっと待て、宇宙人の血を引いてる奴が技を使えるってことは僕もか?」
「そうですね。宇宙人の純血の子供ならば生まれた頃より使えますが、今だと血が薄くなってますから確証はありません」
「本当に僕がお前の子孫だということが解るのか?」
「解りますよ」
「確証は?」
「同族を感じて血が騒ぎます。あなたも私の血に引かれて来たのではないのですか?」
紅い目は鋭い刃物を僕の心の中に刺すようで、背筋にゾクっという感覚が走る。
未だに雪坂の肩に置いている腕を見れば鳥肌が立っている。
事実は見たけど、理解することも納得することも出来ようがない。
何故なら、血が騒ぐなんていう感覚がどんなものなのかなんて知らない。
先ほどから凍りついたようにそこから動けなくなっている。
暗示でもかけられたような感じだった。
「自分の子孫に手を上げるような真似はしません。ただし」
「ただし?」
「私に危害を加えるようであれば、話は180度変わります」
にこっとしてるが、そこには作った笑みしかない。
やっと動けるようになったのか、雪坂の肩から手を下ろす。
春になって暖かくなっている風が頬を掠めていく。
「強い風が出てきましたね。今日はここでお開きとしましょう」
「風にあたりに来てたんじゃないのかよ」
「あなたと話してる間に、十分感じられました」