夜獣-Stairway to the clown-
中には男女入り混じっているが、女のほうが多いような気もする。

多いから喜びまくりというほど飢えてもいない。

自分の席がどこかわからないので何か手がかりを探していると、黒板にでかでかと名前順に席順が決まってた。

「最初はこんなもんだよな」

神崎なので奥から二番目の真ん中らへんであった。

やっと落ち着けると思い一息つくと、時間が経つのをまった。

前に座ったやつとか後ろに座ったやつには一切話すこともないので、口を開くことはなかった。

自分が消極的というわけではないのだが、しゃしゃり出る気もしなかった。

数分後には教師が入ってくるや否や、黒板に自分の名前を書き記していた。

皆木亜由美という、もちろん女性である。

容姿はそこそこ、悪くはない。

時間が経てば、人気も出てくるだろうと思う。

皆木教師はこの後のことを一通りのことを説明してくれた。

1-5は一塊となって体育館へと向かう途中である。

「あー、面倒くさい」

つい言葉に出てしまう。

校長のあまり役に立たない話を聞くために、体育館に集まらなければならないというところが労力の無駄というものだ。

1-5の大体の奴らはそんなことを思っているに違いないと自分の中で納得させる。

周りを見れば、すでに打ち解けたのか話してる奴らもそこそこいる。

さすがだなと思いながら体育館についた。

体育館は鉄鋼であり、簡単に潰れなさそうな造りで二階建てである。

入り口が見た限りでは8個あり、出やすくはなっている。

入る人数は一階と二階を合わせれば2千はいくだろう。

そんな説明とは裏腹に、今度は女子と男子を分け、背の順に並ばされ小さいほうが前で大きいほうが後ろである。

自分は後ろから数えたほうが早い背の高さであり、出口が近いので出る時は楽だろう。
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