夜獣-Stairway to the clown-
「ここまで気にされないのも悲しいね」

「20年間付き合ってこれば解るものだろ。明日になればどうにかなる」

二人でリビングに入っていき、出来ている飯を軽くたいらげる。

特に見たいTVもなく、リビングでやりたいこともないので部屋へと戻っていく。

アキラは紅い目のことを気にしなくなったのか、TVを熱心にみていた。

長い一日だったような気がした。

まだ傷は痛むものの、何も出来ないわけではない。

今は傷のことよりも桜子ちゃんのことが気になる。

「学校休むんだろうか?」

あんなことがあったんだから、それくらいしても許されるだろう。

自分があんな目にあった場合、一ヶ月は休んでしまいそうな勢いだ。

桜子ちゃんはどうなのだろうかと思う。

強気ではあるがもろい部分もある。

桜子ちゃんだけじゃない、人間だれしも予想できないことがあればどこかで崩れるものだ。

夕子が出来る限りのことをやってくれれば立ち直ることも早くなるかもしれない。

姉妹だからこそ解りあえ何を言えばいいのかきっと解るはずだ。

明日くらい様子を見に行くとして、桜子ちゃんのことは夕子に任せるとしよう。

後、アキラのことだ。

アイツがあんなにも驚くとは思わなかった。

ありえない状況には慣れてないのか、対応しにくいのかもしれない。

しかし、どこで紅い目になったというのだろうか。
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