夜獣-Stairway to the clown-
校門までくるとチャイムが校内を埋め尽くすように鳴っている。
授業がもうすぐ始まろうとしているけど、今日は勘弁してもらいたい。
校門前にはリムジンの姿はない。
帰り道の途中で、ちょっとした抵抗を感じた。
「ちょ!ちょっと!待っていただけませんか!?」
腕を必死に振り解こうとするが、そうはさせまいと引っ張っていく。
出来るだけ早く家に連れていきたかった。
走っていたおかげで、家にはすぐについた。
玄関の鍵は無用心にも開けていたので、すぐ入ることが出来た。
家なので靴を脱ぎ、二階へと駆け上がっていく。
部屋のドアを開ければ、さっきと変わらない姿勢でアキラが寝込んでいる。
雪坂も気づいたようで、顔つきが険しくなっている。
「血流が速いですね」
僕の腕から離れ、すばやくアキラの傍に早足で歩いていく。
ベッドの近くに座りアキラの腕を取る。
確かめるように様子を見て、時間を少し置き腕を置く。
「覚醒したまま時間が経ちすぎてます」
アキラのほうを向いたままで説明する。
何も聞いてはいないけど、僕の聞きたいことが解っていたかのようだ。
「このままの状態ならばもって今日まで、心停止を起こします」
「な、なんで?」
「力の流れは、心臓から送り出される血液中に含まれる物質の速さを示します。物質は人間には存在しません。それで流れが安定せずに速いままであれば、送り出す心臓が疲労しきって止まります」
「物質を出すにも労力が必要になるわけか」
「物質の出す量を抑えながら力を使わなければ心臓は疲労します」
「アキラの場合ずっと物質を高速で出し続けたおかげで、危篤状態になってしまったのか」
「物質を出しているという状態が紅い目に変貌させます」
「それを断つにはどうすればいいの?」
「軽度の状態ならイメージだけでいいです。重度ならイメージともう一つ必要なものがあります」
「イメージ?」
「そちらは簡単に済みます。ええっと」
「アキラ」
アキラも僕達が帰ってきたことで起きたようだ。
「アキラさん、まずは目をつむってください」
素直に目をつむる。
授業がもうすぐ始まろうとしているけど、今日は勘弁してもらいたい。
校門前にはリムジンの姿はない。
帰り道の途中で、ちょっとした抵抗を感じた。
「ちょ!ちょっと!待っていただけませんか!?」
腕を必死に振り解こうとするが、そうはさせまいと引っ張っていく。
出来るだけ早く家に連れていきたかった。
走っていたおかげで、家にはすぐについた。
玄関の鍵は無用心にも開けていたので、すぐ入ることが出来た。
家なので靴を脱ぎ、二階へと駆け上がっていく。
部屋のドアを開ければ、さっきと変わらない姿勢でアキラが寝込んでいる。
雪坂も気づいたようで、顔つきが険しくなっている。
「血流が速いですね」
僕の腕から離れ、すばやくアキラの傍に早足で歩いていく。
ベッドの近くに座りアキラの腕を取る。
確かめるように様子を見て、時間を少し置き腕を置く。
「覚醒したまま時間が経ちすぎてます」
アキラのほうを向いたままで説明する。
何も聞いてはいないけど、僕の聞きたいことが解っていたかのようだ。
「このままの状態ならばもって今日まで、心停止を起こします」
「な、なんで?」
「力の流れは、心臓から送り出される血液中に含まれる物質の速さを示します。物質は人間には存在しません。それで流れが安定せずに速いままであれば、送り出す心臓が疲労しきって止まります」
「物質を出すにも労力が必要になるわけか」
「物質の出す量を抑えながら力を使わなければ心臓は疲労します」
「アキラの場合ずっと物質を高速で出し続けたおかげで、危篤状態になってしまったのか」
「物質を出しているという状態が紅い目に変貌させます」
「それを断つにはどうすればいいの?」
「軽度の状態ならイメージだけでいいです。重度ならイメージともう一つ必要なものがあります」
「イメージ?」
「そちらは簡単に済みます。ええっと」
「アキラ」
アキラも僕達が帰ってきたことで起きたようだ。
「アキラさん、まずは目をつむってください」
素直に目をつむる。