死神彼氏と五日間
――――二人は店の前で別れた。
―――…こんなかわいい置物を貰えてよかった。
返事のことはまた後で考えよーっと!
と、いつもの真奈に戻っていた。
……一方、ユキトはというと
真奈の後ろ姿を見ていた。
それは彼女の前では絶対に見せない、不気味な笑顔で…。
「……真奈さん、知ってる?」
ユキトはもう遠くにいる真奈に語り掛ける。
「魂ってね、男より女の方がおいしいんだよ?」
月夜の下で青い瞳を持った彼は標的をその目に焼き付ける。
一層輝くその瞳は人間とは思えない…。
ユキトはそれを隠すかのように、瞳を閉じた。
そして、真奈とは反対の方向に足を進めた。
「真奈さん、君を絶対手に入れてみせる…」
暗闇の中にその言葉が混じる。
……当然真奈には聞こえるはずもなかった。