死神彼氏と五日間
それほど、沙織は真奈を心配していたのだ。
「え、い…嫌だよっ!」
「…だったら近いうちに…、いや、今日か明日に返事しなさいっ!」
「あ、明日っ?!」
真奈の頬が赤くなっていくのを感じた。
――――…真奈、ちゃんとユキトさんが好きなんじゃない。
沙織は心の中でそんな真奈に微笑んだ。
真奈は赤くはなったものの、地面を向いて何やらぶつぶつと唱えていた。
「………。何やってるの?真奈」
呆気にとられながらも沙織は訊いた。
「え、会議だよ。会議っ!」
―――――…会議って……
「誰と…?」
「自分と!」
時々、この真奈の抜け加減には頭を悩ますことが多々あった。
――――…まぁ、ユキトさんはそんな真奈も微笑みながら守ってくれそうだし……いっか…?