死神彼氏と五日間
校門までは走っていたのだが、体力がもたなかった。
ということで、今は歩いていた。
真奈は一人暮らしで、大学からあまり遠い所に住んでいるわけではない。
だからこうして毎日歩いて通っているのである。
「まずは早速、うさぎちゃんに相談だなっ!」
小学生の女の子がぬいぐるみや人形に向かって語り掛ける…、これはそういった類のものである。
真奈の言う[うさぎちゃん]はユキトに帰りぎわに貰った置物のことで、今は机に置いてある。
真奈はそれをこの二週間、大事に毎日眺めていた。
飽きない…。
のだという。
ずっと見ていると、笑みもこぼれるとか……。
自分でもわかっているのか、それを持ち歩こうとはしない。
置物であるという以前で、真奈が自分に身についていると考えるだけで微笑んでしまうかもしれないからだ。
それは、[変態]であると真奈にもわかっていた。