死神彼氏と五日間
「あ、夕飯の材料買って来るの忘れた…」
305室の前まで立って、真奈は大事なことを思い出したのだ。
「ま、いっか…。そのへんので」
めんどくさいらしく、『そのへん』というのが部屋のどのへんで調達できるのか理解できないが、真奈は食料の調達を諦めた。
鍵を差し込み、ガチャ という音を確認してドアを開けようとした。
……しかし、
「あれ…?開かない?」
――――…私、鍵も締め忘れちゃったんだ。
改めて鍵を回し、ドアを開いた。