死神彼氏と五日間
「…悪魔からだ」
「……は?」
――――…悪魔?
何それ、ユキトさんが悪魔なわけないじゃない。
男は小さなため息をつく。
そして
「先に越されてしまったか…」
と呟いた。
一歩、一歩とだんだんと真奈に近づく…――――。
「ち、近寄らないでよっ!近寄ると…」
真奈は鞄の中から携帯を取り出そうとした。
――――…瞬間、
「悪魔に連絡する、てか?」
男は目の前にいた。
そして真奈が携帯を手にした方の手首を掴む。
「離してっ!」
必死になってもう一方の手で解放を試みたが、すぐに相手の手がそれをはばかった。
なおも真奈は抵抗を続ける。
「[ユキト]か…。ふんっ、悪魔らしからぬ名前にしやがって」
男は携帯のユキトの連絡画面を見ると、真奈の手首を離した。
「――――…っ!何なの?あなた、一体誰よっ!」