死神彼氏と五日間
第三章 死神と悪魔
――――…ソウシに会って今日で二日目。
つまり、真奈の命はあと四日ということになる。
真奈はいつものように大学に向かっていた。
「…ソウシさん」
「なんだ?」
「本当に座らなくていいんですか?席、空いてますよ?」
そう言って真奈は隣の空席をポンポンと叩いた。
「心配には及ばない。俺は他の奴には見えないからな、かえって座っていることの方が面倒なことになる」
今の状況のように、バスの中なのではソウシは必ず人が不自然に思わないところに立つらしい。
――――…そういえば、ソウシさん整理券取ってなかった気がする。
その様子で運転手が何も言わないところを見ると、やはりソウシが他人には見えないことは確からしい。
そうなると、ソウシは死神で自分は本当にあと四日後に死んでしまうのかもしれないということが事実に思えてきて、妙な寒気を覚えた。