死神彼氏と五日間
すると後ろから勢いよくげんこつが真奈の頭に降ってきた。
「あいたっ!」
びっくりして振り返ると血相の悪いソウシが上から見下していた。
そのせいで、真奈の赤みはすぐに消えた。
――――…うひゃ〜〜…。
ソウシさんの目怖っっ!紅いから余計だよ…!
「……どうかした?」
「え?…あ!」
ユキトの存在を忘れていた真奈は慌てて向き直った。
「いえっ!なんでもありません!」
――――…やっぱり、ユキトさんにはソウシさんが見えていないとみた!(真奈のカン)
見事にハズレである。
「それで、俺の…話の答え、もう整理がついた?」
少し緊張した趣きで尋ねるユキトは今までにない可愛らしさを醸し出していた。
「……!」
また真っ赤になった。
「いや、あの…そのー……」
真奈はお茶を濁すように視線を逸らした。
さっきの可愛らしさといい、真奈にはユキトが悪魔だとは到底思えなかった。
だから、ここであの告白を断ってしまうのはもったいない気がしてならないのだ。