初体験
20分後、私たちは2時までやっている居酒屋で落ち合った。
「鶏の軟骨と枝豆、あと・・・あ、豆腐の和風サラダ。で、あと生2つ。」
とりあえずの注文を終えると私はおしぼりで手を拭いた。
横で祐二は浮かない顔で私の方をずっと見ている。
「・・・何よ。」
「いや、相変わらずだな。」
「どういう意味よ。」
運ばれてきたビールをぐぃっと飲んでテーブルに置いた。
「もう、やんなっちゃうわよ。」
「なにが?」
祐二も呑みながら私を横目で見る。
「またふられた。」
「ああ、例の先輩か。」
「しかもふった理由がまた一緒なの。」
飲み干したジョッキをカウンターに乗せ2杯目を注文した。
「"もっと遊べるかと思った"」
「お前それ、高校の時も言われてたよな。」
「私ってそんな軽そう!?」
枝豆をつまみながら訴えかける。祐二は言いにくそうに口を開いた。